売れる営業マンは売らないといけない、とは思っていない
何事も、余裕でできる、と思うからできるというのが脳の仕組みです。
「できるかどうかわからないなぁ、不安だなぁ」だとできません。できると信じられるからできるのです。じゃあどうやったらできると信じられるのか。
とても大切なことの1つが「言葉の使い方」です。人は言葉の通りになります。言葉というのは、実際に声に出す言葉と、頭の中で声を出さずにつぶやいている言葉の両方を含みます。「余裕でできる」という言葉を使うと、余裕でできるイメージが頭の中でできてきます。一方、「いやぁ、できるかどうかわからないけど、頑張ってみるか」だとできないイメージがチラチラ湧いてきて、できる可能性は格段に下がります。むしろ、できない確率を自ら上げています。
このような自分に語り掛ける言葉をセルフトークといいますが、このセルフトークが自分自身の自己イメージをつくります。人は自己イメージの通りに動きますから、それによりパフォーマンスがきまります。簡単に言うと「私は、すごいことをできるやつだ」と思うからできるやつになるわけです。結局、根本はセルフトークです。セルフトークが自己イメージをつくり、自己イメージがパフォーマンスを決めるということです。
では、営業マンの話、中々成果が出ない営業マン、でも一生懸命まじめに頑張っている、でも売れない。そんな営業マンは、あまたいらっしゃると思います。それはマインドの使い方を変えれば売れるようになります。
たとえば、個人予算を与えられ、「頑張って売らないと」と頑張っている営業マン。営業のやり方が重要だと思い、先輩のやり方を一生懸命まねたり、営業のやり方の本を読んだり色々やりながら「頑張って売らないと!」と繰り返し思います。これだと成果は出ません。どういうことかというと、「頑張って売らないと」とというセルフトークは、「売れていない自分」をより強化させるセルフトークなのです。頑張って売らないと=今は売れていない、ということを強化するのです。そうして、売れていない自分が自己イメージになり、売れる方法はいっこうに見つかりません。
では、成果を出す営業マンはどのようなマインドの使い方をしているかというと、「売れて当たり前」と思っているのです。売れていて当然で、それが自分らしいと思っている、つまり売れている自分が自己イメージになっているから売れるのです。例えば1億の予算だとすると、1億を売って当然というマインドです。1億を売っていて当然という自己イメージがあるにもかかわらず、実際にまだ売れていないと、脳はそのギャップを埋めるために猛烈に売れる方法を見つけてくれます。
また、売れる営業マンは売上をあげる理由が自分にとって明確です。売り上げを上げることで、自分のスキルを高めたい、より多くの報酬を獲得したい、お客さんに新たな価値を提供して新たな世界をつくりたい、などなど、自分自身の中で売り上げを上げるということの意味づけができています。自分自身が実現したいことと売上をあげることをうまく紐づけているのです。
人がパフォーマンスを発揮するときというのは「want to」のゴールを持っている時です。望むゴールを自ら持っているということです。逆は「have to」です。誰かに強制されて義務感のゴールを追いかけている。「頑張って売らないと」と思っている時は言葉の通り「~せねばならない」と義務感です。こういうとき、人の脳はクリエイティブに、「できない理由」を見つけ出し、パフォーマンスを発揮しません。
同じ1億円の予算でも、それを望んでやるのか、義務感でやるのかで大きく成果が変わってきます。1億円の予算を望んでやるために先ほどお話ししたように1億円を達成することで得たいことを複数持つこと(ゴールを設定すること)が重要となります。
そのようなwant toのゴールをもって、そのゴールは達成してあたりまえ、つまり「売れて当たり前」というセルフトークを頭の中で回している営業マンは実際に売れるということです。
さらには、周りにいる上司や仲間がその営業マンの望むゴールを理解して、「君なら売れて当然だ」「君なら売れて、更にその先のゴールを実現して当然だ」と思い、接してあげることができるならば、更に成果を出すようになります。人は誰かに応援されるととてつもない力を発揮します。
Want toよりhave to、社員のゴールを引き出し、尊重する、そして君ならできると信じる、とても大切なことです。