次世代の営業スタイルはコーチング営業(顧客のエフィカシーを高める)

次世代の営業スタイルはコーチング営業(顧客のエフィカシーを高める)

さて、営業マンに必要なことはエフィカシーと抽象度を上げ下げする思考だということを前述しました。押し売り営業からソリューション営業へと営業マンは進化してきたわけですが、さらにその先があります。それはなにかというと、次世代の営業マンは「コーチング営業」です。これからの営業マンは、認知科学に基づくマインドの上手な使い方を学び、自らが顧客にコーチングをできるようになると桁違いの成果を出すようになるでしょう。

まず、私達プロのコーチの役割は何かというと「クライアントのエフィカシーを高めること」です。ですから、簡単に言うと、顧客は営業マンと話をするだけでエフィカシーがグングンあがり、創造的になり、自身の仕事における成果がみるみるでてしまう、そんな営業マンがコーチング営業です。別の言い方をすると、お客さんもまだ発見していないようなゴールを一緒に見つけて、伴走しながらそれを叶えてしまうのがコーチング営業です。

コーチング営業は、こんなイメージです。

お客さんとの商談では、お客さんの未来をつねに引き出します。それも直近の話だけではなく、さらに先、さらに先の話。過去の問題点にも目を向けますが、問題があってもすぐに未来に目を向けます。お客さんの目を未来に向けるように導きます。そして、具体的な話だけではなく抽象度の高い話も質問によって引き出していきます。

お客さんは営業マンにうまい質問を投げてもらい、なんとなくしか考えていなかった未来のことや、抽象度の高い世界のことを、頭の中を整理しながら語ります。営業に話をするほどに頭が整理され、未来のイメージがわいてきます。そして、もっと、あんなこともやってみよう、こんなこともやってみようとスコトーマが外れ、アイディアがたくさん出てきます。さらには、自分ならできるという気持ちになって楽しくなっていきます。お客さんはそんなアイディアを社内でも上司に提案したり、上司とディスカッションしたりします。そしてそのイメージが更に膨らんでいきます。そしてまた営業マンと会いたくなります。

そして、営業マンは、そのお客さんのゴールイメージをかなえるべく様々な知識を吸収して、お客さんに提供します。お客さんのゴールを叶えるため営業マンの目は社内だけではなく社外に向きます。外部へたくさん情報をとりに行きますし、外の人脈も増えていきます。そして、お客さんのゴールを実現するための提案やサービスを提供し、更に信頼をされます。今期の事だけではなく、来期の事、中期経営計画の事など抽象度の高い話になると、お客さんの上層部がでてくるようになります。そして営業マンはお客さんの経営層のゴールイメージを更に引き出していきます。そこでも目の前の事だけではなく、抽象度高い話を徐々に引き出していきます。経営層も担当者と同じように自分のイメージが整理され、元気になっていきます。そして、経営層はこの営業マンを自分の組織の様々な部署に紹介するようになります。このころには、とりあつかうビジネスの規模も格段に大きくなっています。そしてお客さんと中期計画を共有し、単年のお付き合いではなく、長いおつきあいができるようになります。お客さんからするといなくては困る人であり、いなくては困る会社になっています。なぜか営業マンと話をすると元気になるのです。

どうでしょうか。ここまでくると、もはや「営業マン」という名前ではなくなるかもしれません。でもここまでできると、営業マンはきっと楽しいはずです。自分が役に立った感は半端なく高く、さらに次のでっかいゴールも見えてくるでしょう。経営者になることもできるようになるでしょう。

社長やマネジメントの皆さんは、是非社内にコーチング営業を根付かせてみてください。それはそのまま、次世代幹部を育てることにつながりますよね。

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