社長が自分の意図を浸透させる実践的技術(間を上手に使う)

社長が自分の意図を浸透させる実践的技術(間を上手に使う)

「魔法使い」ならぬ「間ほうつかい」になることは自分の意図を相手に浸透させるためにとても重要な方法です。社長が社員に意図を伝えるとき、その目的は、社員の行動を促すことですよね。伝えることよりも、伝えることで社員が「よしやってみよう」となることです。

社員が「よしやってみよう」となるために何が必要かというと、社員が自らの脳で、未来をイメージし、未来の臨場感を高めることです。先にお話ししたように、社長が未来をイメージして臨場感が高い状態であることは大前提で、さらに質問も多用して相手のRASを開くということも大切です。それと同様に重要なことが、「間」をつくる、です。

社員に質問する→間をつくる、重要なことを伝える→間をつくる。こんな感じで、間をつくるのです。なぜかというと、間を置くと事によって、相手が脳の中で情報を処理する時間をつくることができるのです。早口でまくし立てるような話し方をする社長さんがいます。言いたいことがあふれ出てくるからだと思いますが、それだと社員はうまく情報を処理しきれていません。ポカーンという状態になってしまいます。

じっくり、相手の心にしみこませていくイメージで、間をつくります。「どうでしょう皆さん」といって、間をおく。2秒おくだけで随分相手の脳内情報処理は進みます。3秒だと随分長く感じられます。人は相手の話を聞くとき相手の話の3倍の速さで頭の中で言葉を発しているといわれています。ですから、相対的に3秒はずいぶん長く感じられます。でもとても大事なセンテンスを話したときは3秒待つくらいが丁度良いかと思います。

この間を置くということができるようになってくると、話し手にとってもよいことを享受することができます。間のタイミングで更にその先、さらにその先の話のイメージをつけながら話をすることができます。1秒、2秒の間を置きながら話をすることで、一瞬のうちに「相手に行動を促す」というゴール実現に向けて内容も整理されたものになっていきます。相手にも伝わりやすく、自分の話も整理されていく、一石二鳥ですね。

一方、間を置くことが最初は怖いと感じる方もいらっしゃいます。そういう人は間をどうしてもうめようとするのです。「しーん」となるのが怖いのです。でもその間が相手にとってとても重要な時間なのです。そのあたりを心得ながら、楽しく、穏やかに話をしてみてください。きっと社員の行動は変わってくると思いますよ。 

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