社長が自分の意図を浸透させる実践的技術(社長自身が「できる」と強く確信する)

社長が自分の意図を浸透させる実践的技術(社長自身が「できる」と強く確信する)

社員の士気をあげるような話をする、社員を一枚岩にすべくビジョンを語る、社長の話を聞いて社員は楽しくなる、ワクワクする、そんな社長でありたいですよね。しかしなかなかそう簡単にいっていない社長さんは結構いらっしゃいます。創業社長で日々想いがあふれていて語りたくて居ても立っても居られない社長さんならまだしも、2代目、3代目、さらには大企業の社長、事業部長クラスになるとここに苦戦されている方はとても多いように感じます。苦戦以前に先輩の幹部もそのようなことをやっている姿を見たこともないので、スティーブジョブスや孫正義さんのようにありありと未来を語ることはむしろ普通ではないと捉えていらっしゃる方が多いかと思います。でも、社員にビジョンを語るということはとても大切なことです。なぜなら複数の人たちが力を発揮するためにはゴール世界の臨場感の共有が非常に重要になります。そして、そのゴールの世界の臨場感を共有するためには言語は欠かせないからです。

ゴールの世界に臨場感を感じると人の脳ではドーパミンが分泌されて「よしやってみよう」「自分達ならできる」という気持ちになります。社長がそのような脳内状態になって未来を語れば、その脳内状態は社員にうつります。そして社員も「自分達ならできる」「よしやってみよう」と思います。

いくらきれいな言葉を並べて作文してそれを読み上げても社員の心には響きません。心に響かないとはすなわち、社員の脳内にドーパミンが流れ、「よしやってみよう」とはなりません。

社員にビジョンを語る大前提は、社長がワクワクしていることです、社長が自らでっかいゴールの実現イメージがわいていて、実現した~い!と思って、その実現を考えるとニタニタしてしまう、そんな状態になっていることです。つまり、社長自身がゴールに対して「できる」と強く確信している状態です。

そのための具体的なテクニックの1つをお伝えします。それは、スピーチの前にアファメーションをすることです。アファメーションとはゴールの世界の臨場感を高める言葉です。コーチングの祖、ルータイスのメソッドです。詳しいやり方は書籍「言葉があなたの人生を決める(苫米地英人)」をご参照ください。簡単にお伝えすると、自分自身がゴールを実現している時に見ている世界を作文するのです。例えば、未来、自社が海外展開し、社員も増えて、サービスが拡充し、売上も100倍になっている。その時に社長自身が見ている世界を作文するのです。どのような世界を顧客先でつくっているのか、その時の顧客の反応、社員の言動、その時に自分が感じている感情など。そして、その作文を読むほどに、その未来のイメージがわいて、すさまじく嬉しく、ワクワクしている感情まで「今」感じるのです。

社員にビジョンを語る前に、社長自身の脳の中で、何度も何度も実現しているイメージをすることです。もう目の前で実現していると脳の中では思えるくらいに先にポジティブなリハーサルをするのです。

そしてビジョンを語る際には、その見えている映像を実現した時の感情で語るのです。するとこのイメージは映像や感情も含め、聞いている社員には伝わります。つまり心に響くということです。楽しみながらやってみてください。

  • カテゴリー