1on1で上司が部下のゴールを引き出す際のマインドの使い方③(上司にゴールがあるか)

1on1で上司が部下のゴールを引き出す際のマインドの使い方③(上司にゴールがあるか)

上司が部下と向き合った時に最も重要なことは、「信じる」ということです。何を信じるのでしょうか。それは自分と相手の未来を信じることです。

ゴールを実現するために最も重要なことは何かというと「エフィカシー」です。エフィカシーとは「自己のゴール達成能力に対する自己評価」のことです。実現したいゴールを設定した時、そのゴールに対して、自分なら必ず実現できる、そのゴールを実現して当たり前だ、自分はそれにふさわしい能力を持っているのだ、と強く信じていることです。これが高いエフィカシーです。

部下と向き合う際に最も重要なことは、このエフィカシーです。そして、1on1で実現したいことは「部下のエフィカシーを高めること」なのです。1on1を終わったとき、部下が、自分のゴールを自分で見つけ、さらにそのゴールに対して「できる!」と思って1on1を終えることができればそれが大成功なのです。部下はその後イキイキと自分自身のパフォーマンスを発揮していきます。どうですか、普段マネジメントである皆さんは部下と話をして、部下が「よしできそうだ!」と思わせることはできていますか?皆さんと話をして部下が「自分ならできる!」と今の100倍思えるようにするにはどうしたらいいですか?

この相手のエフィカシーを高める上での大前提は、自分自身のエフィカシーが高いことです。つまり、上司が、自分自身のゴールを持ち、そして、そのゴールに対して自分ならできると思っていることなのです。そうでないと、恐ろしいことに上司は部下のエフィカシーを下げようとしてしまいます。例えば、上司であるあなたが、さして自らが望むゴールはなく、義務感で仕事をして、現状をなんとか維持していればいいと考えているとします。そこに、もし部下がとても高いゴールを持っていて上司であるあなたに大きなことを話すと、あなたの脳はとても違和感を感じ、無意識の中で「それは無理でしょう」「現実をみてみなさい」と言いたくなるのです。逆に部下が「私なんて、やりたいこともないし、現状維持できればいいのです」というエフィカシーとします。そこで上司のエフィカシーが高ければ「まあ、いまはそうかもしれないけど、必ずやりたいことも見つかるから大丈夫、一緒にみつけていこう」と考えられますが、上司のエフィカシーが低いと、まあそうだよなと部下に同調したり、「そんな甘いことをいってるんじゃないよ」と感情的になったりして、中々相手のゴールを引き出すことは難しいわけです。平たく言うと、自分に夢があるからこそ、相手の夢を応援することができるということです。

また、1on1の際にもう1つ重要になってくるエフィカシーは「相手は私とコミュニケーションをとることで必ず自分のゴールを発見する。私にはそれができる!」というエフィカシーです。そもそも、1on1する目的は何でしょうか。1on1で上司とコミュニケーションをとった結果、部下が自らの意志で一歩踏み出すことです。つまり自ら望むゴールを発見し、「よしやってみよう」「よしできる」とエフィカシーをたかめることです。先にも述べましたが、これが1on1のゴールなのです。しかし、この1on1で実現したいことがはっきりしないまま部下と向き合っているケースが非常に多いのです。まずは、このゴールをはっきりと意識することが重要です。「相手のゴールを引き出し、相手のエフィカシーを高めること」がゴールです。としたらそのゴールに対するエフィカシーは「『相手のゴールを引き出し、相手のエフィカシーを高めること』が自分なら必ずできる」ということです。この確信がとても重要になります。「できると思うからできる」なのです。

1on1に望む前、リラックスして、部下の笑顔をイメージしながら、それができると思って、穏やかな気持ちで部下と向き合いましょう。あなたなら、かならずできます。

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