全社員がワクワクすることがなぜ大事か

全社員がワクワクすることがなぜ大事か

あなたの会社の社員は、毎日ワクワクしていますか?

そしてあなたは毎日ワクワクしていますか?

ワクワクすること、楽しいことは人がパフォーマンスを発揮する上でとても大切なことです。

 うまくいったから楽しい、と思いがちですが、実は、楽しいからうまくいく、というのが脳の働きとしていえることです。同じように、人はうまくいかないから愚痴や不満を言うと思いがちですが、愚痴や不満を言うからうまくいかないのです。これがマインドの仕組みです。

 ワクワクしている、楽しんでいる状態の時、脳の中で何が起きているかというと、前頭前野という脳の部位に「ドーパミン」が流れ込んでいる状態です。ドーパミンは行動を促す神経伝達物質で、別名「やる気ホルモン」です。子供が大好きなゲームをしたい!と思っている時、ゲームをしている時はドーパミンがたくさん放出されています。

 逆に愚痴や不満を言っている時は、ネガティブなイメージが頭の中で先行して、ドーパミンは抑制されます。ノルアドレナリンといった悲しい時、不安な時、恐怖を感じる時に放出されている脳内物質が分泌されます。それによりパフォーマンスは低下します。

 ということは、ワクワクしている、楽しんでいる状態、つまり、前頭前野にドーパミンが流れ込む状態をつくれれば、人はやる気が出て、創造的な思考や行動を起こすようになるということですね。では、どうやってそのような状態にすることができるのか。ポイントは自分の実現したいゴールの世界の臨場感を高めるということです。まだ起きていないことではあるものの、自分が心から望む(want toな)世界の臨場感が高まると人はドーパミンが放出され、楽しくなり、ワクワクします。そして高いパフォーマンスが発揮されます。

 とすると、社員の高いパフォーマンスを引き出すためには、リーダーであるあなたは何をしたらよいのでしょうか。それは、ゴールの世界の臨場感を高める「場をつくること」です。

 私が企業に入って、グループコーチングを行うと、コーチングセッションの後、社員の皆さんは、口をそろえて、何でもできる!という気分になった、すごくモチベーションが高まった、自分の考え方が変わってとても前向きになった等々の言葉を間違いなく頂きます。それはなぜかというと、社員の皆さんのゴールの世界の臨場感を高める場を創っているからです。

 そうした場を創るためにやることや、技術はたくさんあるのですが、最も重要なことはは、社員の皆さんが自分自身の望むことをたくさんイメージできるように誘導することなのです。

例えば、10分、時間をとって、望むゴールを頭の中でイメージしながら、複数書き留めてもらうだけでゴールの世界の臨場感は高まり、脳内にはドーパミンが放出されます。それだけで社員の皆さんはワクワクし始めます。どうでしょう、すぐにできませんか?お金もかかりません。10分の時間と紙とペンがあればできます。

 また、リーダーであるあなたが、ゴールの世界の臨場感を高めるように、ビジョンを思いっきり社員に語る、というのことも、もちろん重要なことです。ただし、何度もいいますが、あなたの脳内で臨場感が高いことは大前提ですが、それに加えて「社員の脳内で」ゴールの世界の臨場感を高めるようにビジョンを語ることが大切です。一方的に言いたいことを語るだけではなく、聞いている社員の皆さんと対話をするように、社員の皆さんがイメージしやすいような話し方をしていく必要があります。

 リーダーが一方的に話をするだけではなく、社員の皆さんにも考えてもらう、イメージしてもらう、そして社員の皆さんにも思いっきり語ってもらうような場づくりもしていきたいのです。そしてリーダーであるあなたも社員の話を聞きながら、一緒にイメージして盛り上がってみる。最初は小さなイメージでも、それをみんなで膨らませて、だったらこんなこともできるよね、あんなこともできるよね、と言って膨らませていく、こうして社員の脳の中でゴールの臨場感が高まっていきます。気づけば社長も含めてみんなワクワクしている。このような場を社内のあらゆるところにつくるのです。

会議のやり方を少し変えるだけでもいい。お決まりのテーマで眉間にしわを寄せて、どうしようかどうしようかと議論するだけではなく、そもそも自分達は何を実現したいのか、自分達のwant toは何かを話し合ってみる。つまりゴールは何かを先にイメージしてディスカッションする時間を少し入れるだけで、目の前の問題を解決方法はすんなり出てきたりします。

 ワクワクする場、楽しくなる場、そのような場を、「ワクワクしながら」「楽しみながら」社内にたくさん作ってみてください。3か月もすれば社員のパフォーマンスが圧倒的に高まってきますよ。

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